この記事はドライバーのスライスに悩んでいる人にその原因と対処方法をお伝えするものです。
僕自身、初心者の頃はとてもひどいスライサーでした。しかし師匠でありレッスンプロであるわさお先生から習った対処方法を実践することで、早期にスライスを克服することができました。その時バラバラと習ったことをメモしたノートがあるのですが、それを体系的にまとめたのが今回の記事です。
僕自身、初心者の頃はとてもひどいスライサーでした。しかし師匠でありレッスンプロであるわさお先生から習った対処方法を実践することで、早期にスライスを克服することができました。その時バラバラと習ったことをメモしたノートがあるのですが、それを体系的にまとめたのが今回の記事です。
ここに書いてある15の対処方法を全て正しく実践すれば、スライスは確実に治るはずです(全てを同時に実践すると治るどころかどフックが出る可能性が高いので、その時は個々で調整してください)
とても長い記事なので一応もくじを置いておきますが、スライスに悩む人はぜひ最後まで一通り目を通すことをオススメします。
スライスの原因
スライスの原因となり得るものはたくさんあります。グリップがウィークだとか、体が開いているとか、前傾が深過ぎるといった「スイングの問題」もありますし、ヘッドの重心距離が長すぎるとか、シャフトが硬すぎるといった「クラブの問題」もあります。
しかし、スライスの本質的な原因はインパクトでフェースが開くことです。
グリップがウィークとか、体が開いてるとか、前傾が深すぎるとか、クラブヘッドの重心距離が長いとか、いろいろな理由が挙げられるスライスですが、それらは全てフェースの開きを引き起こす一因に過ぎないのです。アウトサイドイン軌道もスライスの原因とされることが多いのですが、これも厳密にいえばフェースが開いて当たることと同じなのです。
なぜフェースが開くとスライスするのか?
フェースが開いた状態でボールを打つとスライス回転(上から見て時計回り)のサイドスピンがかかります。すると飛球線方向に対してボールの右側の気圧が低下して引力が発生し、ボールは右へ右へと進んでいきます。これがスライスのメカニズムです。
フェースの開き具合やヘッドスピードによってサイドスピン量は変わるのですが、だいたい1500〜2000回転/分(RPM)を超えるとスライスといわれるような大きな曲がり幅になります。
このようにスライスの原因はフェースの開きですから、インパクトでフェースを閉じることさえできればスライスは発生しなくなるわけです。
初心者が必ずスライスに悩む理由
ゴルフの初心者はほぼ確実にスライスに悩みます。フックに悩むかどうかは人によりますが、スライスにはみんな苦しめられるのです。なぜでしょうか?
それはボールをつかまえる技術が無いからです。ボールをつかまえるというのはクラブのフェース面を閉じてボールをクラブヘッドの進行方向に真っ直ぐ押す動きです。これはフェースローテーションともいわれ、バックスイングで開いたフェースをダウンスイングで閉じる動作になります。これができればボールに余計なサイドスピンがかからず、クラブヘッドの運動エネルギーもロスなく伝わるので飛んで曲がりません。
しかし、ほとんど全ての初心者はゴルフクラブを円を描くように振るだけで、フェースを開閉することを知りません。だからみなスライスに悩まされるのです。
そして一度スライスが始まると、大抵の場合それを嫌って左方向に引っ張るように振り始めます。するとさらに余計にサイドスピンがかかるので、ますますスライスが酷くなるのです。
というわけでスライスを治すにはインパクトでフェースを閉じなければならないことがわかりました。それでは具体的に何をどうすれば良いのでしょうか?
次の項からいよいよスライスを治すための15の対処方法をお伝えしていきます。これらは優先順位が高い順になっていますので、ぜひ対処方法【1】から順に実践してみてください。
次の項からいよいよスライスを治すための15の対処方法をお伝えしていきます。これらは優先順位が高い順になっていますので、ぜひ対処方法【1】から順に実践してみてください。
スライス対策 クラブ編
対処方法【1】 スライスしにくいドライバーを使う
スライスを治すためにまず初めにやってほしいこと、それは今使っているドライバーを見直すことです。
実はドライバーにはスライスしにくいドライバーとスライスしやすいドライバーがあります。スライスしにくいドライバーというのはフェースターンしやすくつかまりの良いドライバーのことですが、スライスしやすいドライバーというのはその逆です。
つかまりの悪いドライバーを使い続けると?
前述の通り、スライスの原因には「スイングの問題」と「クラブの問題」があるのですが、早くスライスを治したいなら初めに「クラブの問題」を解決すべきです。なぜならつかまりの悪いドライバーで練習を続けことで、スライスしやすいスイングが身についてしまうからです。
どういうことかと言うと、つかまりの悪いドライバーを使い続けるとフェースが開きやすいので当然ボールは右へ右へとスライスしていきます。するとほとんどの初心者はそれを嫌って本能的に左方向へ引っ張るようにスイングするのです。しかし左へ引っ張るスイングは強いアウトサイドイン軌道となりますので、もっとフェースが開き、ますます酷いスライスが出るのです。
そんな練習をずっと繰り返しているうちにそれが癖となります。つまりスライスしやすいスイングの出来上がりです。一度身についてしまった悪い癖を治すのは0から正しいスイングを身につけるよりずっと困難です
つかまりの良いドライバーでスイング矯正
スライスが厄介なところはスライスを打たないように左方向に打とうとすればするほど、アウトサイドインの軌道が身についてしまい、ますますスライスが出やすいスイングが身についてしまうという悪循環のスパイラルにあります。ではどうすれば、このスパイラルから抜け出せるのでしょうか?
答えは簡単で、つかまりの良いドライバーを使うことです。それも10回打ったら10回とも ”どフック” が出るくらいつかまりの良いドライバーです。
”どフック” が出続けると、プレーヤーはそれを嫌ってボールを右方向に打ち出したくなります。すると自然にインサイドアウトの軌道になりやすいのです。インサイドアウトの軌道になるとフェースが閉じて当たるのと同じ効果がありますのでスライスが出なくなります。
このように、つかまりの良いドライバーを使って練習を続けることで、スイング自体をスライスの出にくいものに矯正することができるのです。
つかまりの良いドライバーの数値的条件
それでは、つかまりの良いドライバーとはどういうドライバーなのでしょうか。数値的条件を交えて具体的に解説していきましょう。
スライスしにくいのはどんなドライバー?1. フェースが返りやすい2. つかまりが良い3. サイドスピン量が少ない4. ボールが上がりやすい5. シャフトが柔らかい
1. フェースが返りやすい
フェースが返りやすいヘッドというのは ①FT値が大きく、②重心距離が短く、③重心角度が大きいものです。具体的には①FT値が1.0以上、②重心距離は35mm以下、③重心角度は25°以上というのが一つの目安となります。
2. つかまりが良い
フェースの返りやすさとは別に、つかまりが良くなる要素として④フェース角が大きいことと⑤ロフト角が大きいことがあります。
最近はスライサー向けにフックフェースのドライバーが増えていますが、フェース角の大きなドライバーは初めから左を向いているのでやはりつかまりが良くなります。また、ロフト角が大きいほどフェースは左上を向くのでやはりつかまりが良くなります。
具体的には ④フェース角が+2°以上、⑤ロフト角はリアルロフトで11°以上が望ましいでしょう。
3. サイドスピン量が少ない
スライスの曲がり幅はサイドスピン量によりますので、なるべくスピン量が少ないヘッドが望ましいです。サイドスピン量に関わる数値としてはヘッド左右慣性モーメント値があります。ヘッド左右慣性モーメントが大きいほどヘッドの左右のブレが少なくなるのでサイドスピン量も減ります。
ただ、ヘッド左右慣性モーメントが大きいと重心距離が長くなる傾向にあるのでつかまりが悪くなるという弊害もあります。そのあたりのバランスを考えて⑥ヘッド左右慣性モーメントは4200g・㎠以上を一つの目安にします。
ただ、ヘッド左右慣性モーメントが大きいと重心距離が長くなる傾向にあるのでつかまりが悪くなるという弊害もあります。そのあたりのバランスを考えて⑥ヘッド左右慣性モーメントは4200g・㎠以上を一つの目安にします。
4. ボールが上がりやすい
初心者で多いのがボールを上げようとしてアッパースイングになることです。アッパースイング自体は悪いこととは言い切れないのですが、フェースローテーションができない人が行うとフェースがより開きやすくなるのでスライスがさらにひどくなります。
初めからボールの上がりやすいドライバーを使うことでそのような悪い癖がつかないようにしたいものです。ボールの上がりやすさを示す数値としては⑥重心距離があります。これについては具体的な数値は示しませんが、深めの方が球が上がりやすいことを覚えておくと良いでしょう
5. シャフトが柔らかい
シャフトは基本的に柔らかい方がつかまります。シャフトが走りフェースの返りが良くなるからです。スライスに悩む人は柔らかめのシャフトを使うことをオススメします。
シャフトの硬さはSとかRといったフレックス表示で示されていますが、そんなに単純なものではありません。詳しくはこちらの記事もご覧ください
とにかくスライスを矯正したいなら純正シャフトのRかSRがオススメです。三菱レイヨンやグラファイトデザイン、USPマミヤなどのシャフト専門メーカーが出しているシャフトはRでも、純正のSより硬かったりするので初心者が使うのはあまりオススメしません
以上がスライスしにくいドライバーの条件となります。中でも特につかまりに大きく影響するのが①の FT値、②の重心距離、③の重心角度です。
スライスしにくいドライバーの条件①FT値 :1.0以上②重心距離が短い : 35mm以下③重心角度が深い : 25°以上④フェース角 : +2°以上(フック)⑤ロフト角が大きい : 11°以上(リアルロフト)⑥重心深度が深め
修行用のクラブとして割り切って使おう
最近は「絶対にスライスしない」と謳うお助けドライバーもあります。極端なフックフェースだったり、重心距離が極端に大きかったりしますが、スライス防止にとても効果的です。そんな特殊なクラブを使うのはカッコ悪いと思いますか?
しかし見栄を張ってタイトリストやスリクソンなどの上級者向けクラブを使っているのに、スライスを連発していたら、それこそみっともないですよね。それならお助けクラブを使ってでも80台で回ってくる人のほうがずっとカッコいいと僕は思います。
お助けクラブはずっと使い続ける必要はありません。スライスの出ないスイングが身につくまでの一定期間だけ、修行用のクラブだと割り切って使えば良いのです。
お助けクラブはずっと使い続ける必要はありません。スライスの出ないスイングが身につくまでの一定期間だけ、修行用のクラブだと割り切って使えば良いのです。
例えば極端なフックフェースのドライバーを使ながら上達し、ボールをつかまえられるスイングが身につくと、今度はチーピンが出始めます。これはフェースローテーションができるようになったことで、始めから閉じているフェースが極端に閉じてつかまり過ぎてしまうことが原因なのですが、そのような症状に悩まされるようになったら、そのドライバーは卒業して今度はフェースがスクエアなものに乗り換えるべきなのです。
そしてさらに上達して、もっとボールがつかまるようになったら、今度は上級者向けのオープンフェースなドライバーに乗り換えるのです。そうやって上達に合わせて、あなたの腕前に合うクラブに乗り換えていくことで、スムーズに上達していくことができるのです。
修行用のクラブはどうせ乗り換えるとわかっているのですから、高価なドライバーは必要ありません。中古クラブで十分なんです。近年のドライバーはどれも性能が良いので、ここ5年以内のドライバーであれば大差はありません。安いものなら、10,000円を切る価格で手に入ります。
僕がオススメするスライスしにくい中古ドライバーはこちらの記事にまとめてありますので参考にしてみてください
スライス対策 アドレス編
プロはアドレスを見ただけでその人が普段どういう球を打っているのか言い当てられるそうです。それくらいアドレスは弾道に直接影響を及ぼすのです。スライスするかどうかもアドレスの段階で70%くらい決まっているといっても過言ではありません。逆にいえば、アドレスでしっかり準備が出来てさえいればスライスなんて怖くないのです。
対処方法【2】前傾角度を浅くする
アドレス時の体の前傾角度はスイングプレーンに大きく影響します。
前傾角度が浅いとスイングプレーンは横振りになります。そうするとドライバーのライ角の関係でフェースはインパクトで左上方向を向き、ボールがつかまりやすくなります。
しかし、前傾角度が深いとスイングプレーンは縦振りになります。そうするとフェースはインパクトで左を向くことはなく、その分ボールのつかまりは悪くなるのです。
特に縦振りのスイングプレーンではボールのスピン量が増します。アイアンやウェッジなら打ち込むことによって止まる球になるので都合が良いのですが、ドライバーでそれをしてしまうとスピン量が増えすぎてフケ玉になったり、擦って酷いスライスが出たりします。
初心者にありがちなのは、ボールを打とうという意識が強すぎて知らないうちに前のめりになってしまうことです。そうすることで酷い縦振りになってスライスを助長してしまうのです。
自分の前傾角度がどうなっているのかわからない人はぜひ一度後方から撮影してチェックすることをオススメします。その時に上の図と見比べてみると自分の前傾が浅いのか深いのかわかると思います。
対処方法【3】 クラブをフラットに構える
アドレス時にクラブをアップライトに構えるか、フラットに構えるかでもボールのつかまりがかなり変わります。
ゴルフクラブ にはロフト角とライ角があります。これらの影響により、クラブが寝るようにフラットに構えるとフェース面はやや左を向くのでつかまりが良くなります。
しかしクラブを立てるようにアップライトに構えるとフェース面は正面〜やや右を向くのでフラットに構えるよりはつかまりが悪くなります。
しかしクラブを立てるようにアップライトに構えるとフェース面は正面〜やや右を向くのでフラットに構えるよりはつかまりが悪くなります。
それではクラブをフラットに構えるのとアップライトに構えるのとでは、具体的に何が違うのでしょうか?
もちろん前傾角度も関わってくるのですが、それ以上に違うのが手首の角度です。よく「手首の角度をほどくとゴルフは上達しない」と言われるのですがそれはこのことから来ています。手首の角度が無くなってしまうとアップライトになり、フェースが右を向くのでつかまりが悪くなるのです。とりわけ初心者は手の位置が高く、手首の角度が無い状態で構えてしまう人が非常に多いので、それがスライスの一因となっています。
特にドライバーに関してはクラブを予めフラットに構え、その時の手首の角度をほどかないように振ればつかまりの良い球を打つことができるのです。
対処方法【4】 上半身をやや右に傾ける
アドレス時に上半身をやや右に傾けることでもスライスが出にくくなります。というか、少し右に傾けて構えるのが正しいアドレスなのです。
非常に多くのアマチュアゴルファーが左右対象にまっすぐ立つものだと勘違いしているのですが、それは大きな間違いです。プロのアドレスを見ると一目瞭然ですが、必ず上半身は右に傾き、右肩が左肩よりも下がっています。
実は右肩を下げることによって右腕の力が抜け、クラブをインサイドから振り下ろしやすくなります。すると当然スライスしにくくなるのです。
一方で両肩を水平に構えてしまうと肩や腕に力が入りやすいのです。そうするとアウトサイドインの軌道にもなりやすいので、スライスしやすくなるのです。
一方で両肩を水平に構えてしまうと肩や腕に力が入りやすいのです。そうするとアウトサイドインの軌道にもなりやすいので、スライスしやすくなるのです。
対処方法【5】 右ひじを左ひじより下げて構える
右ひじと左ひじを結ぶ直線の方向にボールが飛ぶといわれるくらい、アドレス時のひじの位置は重要です。試しに右ひじを左ひじよりも下げて構えるとわかりますが、その直線は飛球線方向のやや右を向き、実際スライスが出にくくなるのです。なぜならひじの位置関係でスイング軌道が変わるからです
初心者でよく見かけるのが両腕に思い切り力が入っていて、両肘を突っ張ったままアドレスしている人です。しかし右ひじを突っ張っているとバックスイングで右腕がスムーズに折りたたまれません。そうすると当然クラブはアウトサイドに上がり、そのままアウトサイドインの軌道で振り下ろされます。
たしかに右打ちのプレーヤーが普通にアドレスすると、左手が手前、右手が外側の状態でグリップすることになります。すると当然、右ひじの方が左ひじよりも前に出やすくなります。
しかし、その状態から右ひじを脱力して曲げてあげることで右ひじを下げて構えるのが正しいアドレスです。
しかし、その状態から右ひじを脱力して曲げてあげることで右ひじを下げて構えるのが正しいアドレスです。
右ひじを突っ張らない状態で下げて構えると、バックスイングで肘がスムーズに折りたたまれ、クラブは正しいトップの位置に治ります。すると当然インサイドから振り下ろしやすくなるので、スライスも出にくくなるのです。
対処方法【6】 クローズスタンスにする
アドレス時にクローズスタンスにするだけでもスライスしにくくなります。
やり方は簡単で、普通にアドレスしたら右足を少しだけ後ろにズラすだけです。そうすると両足つま先を結ぶ直線がやや右を向くクローズスタンスが出来上がります。ただし、両肩のラインは目標に向かったままになるように注意しましょう。肩のラインまで右を向いてしまうと、それはただ右を向いているアドレスになってしまうからです。
クローズスタンスにすることでインサイドアウトにクラブを振り下ろしやすくなるのと、体の開きが抑えられる効果があります。そうすることによってフェースが返りやすくなって、当然スライスしにくくなります。
対処方法【7】 ボールを左に置く
アドレス時のボールの位置はインパクトでのフェースの向きに影響するので、それだけでボールのつかまり度合いを調整することができます。基本は、左足のかかとよりボール1個分内側がスクエアなのですが、それよりも左側に置けばボールはつかまり、右側に置けばつかまりにくくなります。
よく初心者で見かけるのが両足のセンターにボールを置いている人です。そうすると上から打ち込み易くもなるので、余計なスピンがかかって更にスライスが酷くなることがあります。その点からもボールを左寄り(センターよりボール2個分程度左)にした方がスライスしにくくなります。
ただし極端に左に起き過ぎると今度はクラブが届かなくなってボールをこすってしまい、スライス回転がかかりやすくなることがあります。どんなに左に置くとしても左足の小指よりも左に置くのはやりすぎです。
ただし極端に左に起き過ぎると今度はクラブが届かなくなってボールをこすってしまい、スライス回転がかかりやすくなることがあります。どんなに左に置くとしても左足の小指よりも左に置くのはやりすぎです。
スライス対策 スイング編
対処方法【8】 ダウンスイングで体を止める
フェースが開く原因の一つに振り遅れがあります。振り遅れというのは体が先に回転して飛球線方向に向いているのに、クラブがそれに追いついておらず、ボールをとらえるタイミングが遅れる状態のことを指します。体の回転に対してクラブが遅れてくるので「振り遅れ」というわけです。
初心者に多い症状なのですが、振り遅れると確実にフェースが開きます。すると当然スライスが発生します。
ではどうすれば良いかというと体の回転を止めれば良いのです。バックスイングで右を向いた両肩のラインが、ダウンスイングで正面を向いたタイミングで上半身だけを止め、腕だけでスイングするのです。するとクラブヘッドが先行して進んでいくので振り遅れなくなります。
それでもクラブの重みに引っ張られて惰性で体が回るので、結果下の図のように自然な形で玉をとらえることができます(赤矢印は上半身の向きを表しています)
それでもクラブの重みに引っ張られて惰性で体が回るので、結果下の図のように自然な形で玉をとらえることができます(赤矢印は上半身の向きを表しています)
中にはトップから右を見たまま腕だけでスイングするように教えるプロもいますが、やり過ぎるとヘッドが極端に閉じてチーピン(極端なドフック)が発生します。ちょうど良いのが両肩が正面を向いたタイミングだと思いますので、ぜひ試してみてください
対処方法【9】 顔を右に向けたまま振る
どうしてもスイングの途中で動きを止めるのが苦手だ!という人は顔を右に向けたままスイングすることでも振り遅れを防止する効果があります。
やり方はとても簡単で、あらかじめ顔をやや右下(具体的には右足の外側方向)に向けてアドレスします。この時、ボールは左目でその残像をぼんやり見るのがポイントです。あとはそのままスイングします。
顔が右に向いたままなので体の開きが遅れ、フェースが返って、結果的にスライスしにくくなります。
ただし打った後はクラブと腕に引っ張られて体がターンして、顔も左に向いていくのが自然な動きです。これもフィニッシュまで右を向き続けたりするとチーピンが出る原因となりますので、やり過ぎには注意しましょう。
対処方法【10】 グリップエンドを自分に向け引きつける
スイングの途中で体を止めるのも、右を向いたままスイングするのも、どちらも違和感があるという人もいるでしょう。そんな方にオススメなのがダウンスイングでグリップエンドを自分の体(正確にはお腹)に向けるようにスイングする方法です。振り遅れが発生する時はクラブが寝た状態なのですが、グリップエンドを引きつけることでクラブが立ちます。
具体的にどうすれば良いのかというと、ハーフウェイダウンからグリップエンドが自分の体を向くように軽く引き付けながら振ります。こうすることで遠心力でクラブヘッドが加速していくのに対し、手元は急減速します。
すると急激なフェースターンが発生しつつヘッドも走るので、つかまりが良く飛距離も伸びるのです。
すると急激なフェースターンが発生しつつヘッドも走るので、つかまりが良く飛距離も伸びるのです。
対処方法【11】 ゆっくり振る
近年のドライバーは440cc超えの大型ヘッドが主流となっていることから、昔に比べて重心距離が長くなりフェースが返りづらくなってますますスライスしやすくなっています。 ではそんな重心距離の長いドライバーでスライスを打たないようにするにはどうすればいいのかというと、ゆっくりしたリズムで振ることが重要です。
ゆっくりしたリズムで振ってあげれば、振り遅れることなくヘッドが返るのでスライスしにくくなるのです。
ゆっくりしたリズムで振る方法
どうしてもゆっくり振ることが苦手という人もいるでしょう。そんな方にオススメなのはやはり数を数えながら振ることです。それも数字を伸ばしながらリズムを取るのがコツです。
1(いち). 2(にっ). 3(さん!) ではなくて、1(いーーーち). 2(にーーーい). 3(さーーーん)です
初めの1(いーーーち)でバックスイングするのが一般的なのですが、僕はあまりオススメしていません。なぜなら1(いーーーち)で始動するとなると、どのタイミングで1(いーーーち)をいうのかが気になって緊張したり、あまりリズムに乗れないからです。
そこで、初めの1(いーーーち)をタイミングを取るためのカウントとし、2(にーーーい)で始動するとスムーズにリズムに乗ることができます。
具体的にいうと
具体的にいうと
まずアドレスしたら、
初めの1(いーち)で心の準備をし
2(にーい)でバックスイング
3(さーん)でダウンスイング
という感じです。
特に、3(さーーーん)が 3(さん!)と早くならないように気をつけましょう
もちろん1(いーち)の伸ばす長さによってもリズムが変わるので、そこは調整しながら自分にあったリズムを見つけてください。
特に、3(さーーーん)が 3(さん!)と早くならないように気をつけましょう
もちろん1(いーち)の伸ばす長さによってもリズムが変わるので、そこは調整しながら自分にあったリズムを見つけてください。
対処方法【12】 ヘッドの位置をイメージしながら振る
振り遅れない方法を色々とお伝えしてきましたが、どれを試してもうまくいかないという人もいるかも知れません。そういう人はヘッドの位置をイメージしながら振ることをオススメします。
結局、振り遅れは体の回転にヘッドがついていけてないことが原因です。しかしヘッドの位置をイメージしながらスイングすることでインパクトの時にしっかりとヘッドを前に持っていき、ボールをとらえることができるようになります。
やり方としては、まずアドレスの段階でヘッドの位置を確認したら、腕を使わずに肩を回転させてトップを迎えます。この時ヘッドは視界から消えていますが、頭の中で今どのあたりにヘッドがあるのかをイメージします。そしてダウンスイングの後、インパクトを迎える瞬間にヘッドがボールに当たるようにイメージしながら振ってみてください。特にこの方法はヘッドを遠心力で素直に走らせたいので、クラブを腕で振るのではなく肩の回転で振ることがコツです。
人によってはこのイメージを持つだけでスライスが激減することもあります。
ただし、この方法にはデメリットもあります。それはヘッドを先行させようとするあまり、インパクトでも右足に体重が残ってしまうことがあるのです。いわゆる「明治の大砲」、「リバースピボット」といわれる悪いスイングの典型です。そうなってしまうと体重移動ができないだけでなく、煽り打ちにもなってしまうので、飛距離が出ない、ミート率が下がる、ボールの頭を叩く、といろいろな症状が出てしまいます。
もしそうなってしまった場合の対処方法としては右足をターンさせながらダウンスイングすることです。そうことで右足に体重が残らなくなって、ちゃんと体重移動ができるようになります。
スライス対策 グリップ編
対処方法【13】 グリップの握る力を抜く
グリップの握る力を抜くとスライスしにくくなります。なぜなら手首が柔らかく使えるようになり、リストターンがスムーズに発生するからです。そうするとフェースが返ってスライスしにくくなるだけでなく、ヘッドが走って飛距離も伸びます。
逆にグリップに力が入っていると手首を柔らかく使うことができず、コックも早くほどけ、ヘッドが全く走らなくなります。ヘッドが走らないとボールのつかまりが悪くなるだけでなく、飛距離も出なくなります。そもそも腕に力が入っているとアウトサイドインの軌道になりやすく、スライスの直接的な原因にもなります。 以上の理由からスライスしたくないなら握る力は極力抜いた方が良いのです。
逆に、ラフからのショットではグリップをしっかり握って振れと言われるのですが、それはラフから打つとクラブが芝に絡まることでフェースが急激に返ってひっかけるからです。グリップをしっかり握ることで手首が返りにくくなり、ひっかけを軽減する効果があるのです。
対処方法【14】 ストロンググリップにする
グリップもボールのつかまり具合に大きく影響します。グリップの具体的なやり方は他でいくらでも書かれているので割愛しますが、基本的にウィークグリップよりもストロンググリップにした方がスライスしにくくなります。
なぜならインパクトの瞬間の手の向きは毎回ほぼ同じだからです。その為、ストロンググリップにした方がインパクトでフェースが閉じやすいのです。
実際、ストロンググリップにして左手の甲を目標方向に向けた場合とウィークグリップにした場合ではフェースの閉じ具合が全然違うことがわかります。ひどいスライスに悩んでいる人は左手の甲が上を向くくらい強めのストロングにすることをオススメします。
実は、強めのストロンググリップはスライスに即効性があり、多くのゴルフ雑誌やウェブサイトで紹介されています。しかし私は個人的にあまりオススメしていません。
なぜなら強めのストロンググリップは依存性が高いからです。実際にこれでボールを打つとよくつかまるようになります。しかしどのようなスイングをしてもつかまるようになるので、本来のスイングに必要なフェースターンの技術がいつまで経っても身につかないのです。
しかも、これほど癖の強いグリップをしてしまうと、将来普通のグリップに戻したくなっても強い違和感を感じ、治すのに大変な苦労をします。実際、僕自身強いストロンググリップでゴルフを覚えてしまったので、後で左のミスに悩み、そこからスクエアグリップに直す時にすごく違和感を感じた経験があります。ですから握りを変えるのは本当に慎重にすべきです。
実際、ストロンググリップにして左手の甲を目標方向に向けた場合とウィークグリップにした場合ではフェースの閉じ具合が全然違うことがわかります。ひどいスライスに悩んでいる人は左手の甲が上を向くくらい強めのストロングにすることをオススメします。
実は、強めのストロンググリップはスライスに即効性があり、多くのゴルフ雑誌やウェブサイトで紹介されています。しかし私は個人的にあまりオススメしていません。
なぜなら強めのストロンググリップは依存性が高いからです。実際にこれでボールを打つとよくつかまるようになります。しかしどのようなスイングをしてもつかまるようになるので、本来のスイングに必要なフェースターンの技術がいつまで経っても身につかないのです。
しかも、これほど癖の強いグリップをしてしまうと、将来普通のグリップに戻したくなっても強い違和感を感じ、治すのに大変な苦労をします。実際、僕自身強いストロンググリップでゴルフを覚えてしまったので、後で左のミスに悩み、そこからスクエアグリップに直す時にすごく違和感を感じた経験があります。ですから握りを変えるのは本当に慎重にすべきです。
対処方法【15】 フェースを閉じて握る
握りを変えるとどうしても違和感がある、気持ちが悪いという人にオススメなのがフェースを閉じた状態で普通に握ることです。
この方法ならストロンググリップにするのと同じ効果があるのに、握りが変わらないので全く違和感がありません。
フェースの閉じ度合いは上の写真を参考に加減してみてください。ただしフェースを閉じると同時にロフトも立知ます。したがって、やり過ぎるとボールが全く上がらなくなり飛距離が大幅に落ちてしまうので注意しましょう。
フェースの閉じ度合いは上の写真を参考に加減してみてください。ただしフェースを閉じると同時にロフトも立知ます。したがって、やり過ぎるとボールが全く上がらなくなり飛距離が大幅に落ちてしまうので注意しましょう。
スライスを治す対処方法まとめ
冒頭にもお話しましたが、今回ご紹介した15の対策は優先順位の高い順になっています。できれば対象方法【1】から実施して、次は【2】、その次は【3】という具合に順を追ってやっていくことをオススメします。
特に対処方法【14】でご紹介したストロンググリップはすぐに効果が期待できる反面、依存度も高いのでそれでゴルフを覚えてしまうと後々苦労するかもしれません。
その一方で、対処方法【1】のスライスしないドライバーを使うのは効果が期待できる反面、依存度が低いので安心です。上達してスライスが克服できたら、さっさとクラブを変えちゃえば左のミスに悩まさせることもありません。
現在つかまらないドライバーでスライスに悩んでいる人はぜひスライスしないドライバーに買い換えることをオススメします
スライスしない中古ドライバーはこちらを参考にどうぞ
スライスしない中古ドライバーはこちらを参考にどうぞ
ちなみに、わさお先生から習ったスライスしない方法はもっとたくさんありました。しかし残念ながらそれを記したノートが行方不明になってしまいました。家のどこかにあるはずなので、運良く見つかったら続きの記事を書きたいと思います。
以上、【重要】ドライバーがスライスする原因と必ず治る15の対処方法でした