トルクはシャフトの捻じれ(ねじれ)やすさを示す値です。
トルクの値が大きいほどシャフトは捻じれやすく、値が小さいほど捻じれにくいという意味になります。
捻じれが発生するタイミング
「えっ?シャフトって捩れるの??」と思う人もいるかもしれませんが、カーボンで作られたシャフトはもちろん、スチールで作られたシャフトでさえも捻じれます。
もちろんいつでも簡単に捻じれるわけではないのですが、どういうタイミングが最も大きく捻じれるのでしょうか?
それはシャフトに最大の力がかかる切り返しのタイミングです。
バックスイングの始動からトップまでの間にバックスイング方向に動いていたシャフトは、切り返しのタイミングで急に逆方向(ダウンスイング方向)に引っ張られます。この瞬間、シャフトにはダウンスイングと逆方向に最大の力がかかり、しなり幅も最大になります。
実は同様に、バックスイングからトップまでの間にクラブフェースが開く方向にシャフトもローテーションしているのですが、切り返しのタイミングで急に閉じる方向に力が加わります。この瞬間、シャフトにはダウンスイングとは逆方向、つまり開く方向に最大の力がかかります。この力によってフェースは開く方向に捻じれているのです。
そして切り返しで開いたフェースはダウンスイングの途中でシャフトがしなり戻るのに伴って、今度は閉じる方向に捻り戻ります。これがスイング中のフェースローテーションの一因となっています。フェースローテーションはボールを飛ばすエネルギーの一部なので、トルクが大きく捻じれやすいシャフトほど飛距離も出やすいと言えます。
トルク(捻じれ)がプレイに与える影響
ゴルフ雑誌などでトルクについて説明する時によく使われる例えが、車の ”ハンドルの遊び” です。一般的な乗用車はハンドルを切る角度よりも少しだけ少ない角度しかタイヤが動きません。これを ”ハンドルの遊び” と言います。
なぜそんな仕組みになっているのかというと、運転手が誤って急ハンドルを切ってしまった時でも、車の挙動が急に乱れることを防ぐためです。このように手の動きに対して、車の反応を少し鈍感にしてあげることで、人間は車を安定して操作することができるのです。シャフトのトルク(捻じれ)もこれと同じような効果を持っています。
トルクの小さいシャフトの特性
- ”遊び” が少なく操作性が良い
- 飛距離は抑えめ
- ヘッドスピードが速くても暴れにくい
- ボールがつかまりにくい
トルクの小さいシャフトはほとんど捻じれが生じず ”遊び” がありません。つまりヘッドの位置やフェースの向きが腕を通じて敏感に伝わってくると同時に、腕の動きに対してもレスポンス良くフェースの向きを変えることができます。つまり操作性の良いクラブなんですね。
その為、例えばフェースをややかぶせて低い球を打ったり、逆にフェースを開いてフェードを打つといったことがやり易くなるのです。
操作性が良くなるのであれば、トルクは小さい方が良いのではないかと思うかもしれませんが一概にそうとは言えません。”遊び” の少ないシャフトはフェースの向きやスイングプレーンが少しズレただけでも違和感がダイレクトに手に伝わってきます。すると、その違和感を払拭しようと腕が余計な動きをしてしまい、ミスショットにつながりやすくなります。
つまりトルクの小さいシャフトというのは、いろいろな球を打ち分けられる操作性が手に入ると同時に、ミスにシビアで難しいクラブでもあると言えます。
フェースローテーションにおける捻じれ戻りの力は小さいので飛距離への加点はあまりありませんが、ヘッドスピードが速くても暴れませんし、つかまりにくくなるので左のミスは軽減されます。これらの特徴から正しいプレーンでクラブをしっかり振れるヘッドスピードの速い上級者に適しているシャフトだと言えます。
トルクの大きいシャフトの特性
- ”遊び” が多く簡単でやさしい
- 飛距離は出やすい
- ヘッドスピードが速いと暴れやすい
- ボールがつかまりやすい
トルクの大きいシャフトは ”遊び” が多いので、ヘッドの位置やフェースの向きも適度にアバウトに伝わってきます。実はこれが非常に重要なポイントです。
”遊び”の少ないシャフトでは少しでもプレーンを外れると気持ちの悪い感覚が伝わってきてしまい、それを手で修正しようとしてミスが生まれやすくなります。しかし”遊び”の多いシャフトだと、多少プレーンを外れたスイングをしたとしてもいちいち違和感を感じることなく気持ち良く振り抜くことが出来るのです。
また、大きなトルクはインパクト時のフェースの向きをスクエアに矯正する働きがあるので、ボールをしっかりつかまえて右のミスを減らすことに向いています。
さらにフェースローテーションが強くなり飛距離も出やすくなります。しかし、ヘッドスピードが速すぎるプレーヤーが使用すると捻り戻りが安定せずに暴れて方向性が悪くなる危険性もあります。
これらの特徴からスイングプレーンが安定しない初心者やアベレージゴルファー、力のない女性や年配の方はトルクの大きめのシャフトを選ぶと良いでしょう。
”遊び”の少ないシャフトでは少しでもプレーンを外れると気持ちの悪い感覚が伝わってきてしまい、それを手で修正しようとしてミスが生まれやすくなります。しかし”遊び”の多いシャフトだと、多少プレーンを外れたスイングをしたとしてもいちいち違和感を感じることなく気持ち良く振り抜くことが出来るのです。
また、大きなトルクはインパクト時のフェースの向きをスクエアに矯正する働きがあるので、ボールをしっかりつかまえて右のミスを減らすことに向いています。
さらにフェースローテーションが強くなり飛距離も出やすくなります。しかし、ヘッドスピードが速すぎるプレーヤーが使用すると捻り戻りが安定せずに暴れて方向性が悪くなる危険性もあります。
これらの特徴からスイングプレーンが安定しない初心者やアベレージゴルファー、力のない女性や年配の方はトルクの大きめのシャフトを選ぶと良いでしょう。
以上、シャフトの「トルク(ねじれ)」がプレイに与える影響でした!