ミート率とは?
「ミート率」とはクラブヘッドからボールに伝わるエネルギー効率のことで、スイートスポットの中心でボールを打つことによって高めることができます。ミート率はボール初速 ÷ ヘッドスピードで導き出されます。
つまりミート率が高いほど、同じヘッドスピードでもボール初速はより速くなります。女子プロゴルファーのドライバーショットが一般男子よりも飛ぶのは、ヘッドスピードがものすごく速いわけではなく、ミート率が格段に高いからです。
ミート率は「芯の食い方」と「ボールとクラブヘッドの反発係数」の両方が大きく影響します。この為、たとえ同じ芯の食い方をしてもクラブの番手によって数値は全然変わります。 ちなみに一般男子のドライバーの平均ミート率は1.3程度で、上級者でも1.4台、プロでも1.5前後が関の山といったところです。
ミート率は弾道計測器付きの打席があるゴルフ練習場やゴルフショップなどで測ることが出来ます。芯を食ったと思うと高い数値になり、当たり損ないだと低くなるので、その辺りの感覚を身につける為にも一度測ってみると良い経験になります。
ミート率には限界が決まっている
このミート率、実は1.56が限界と決まっています。世界のトッププロが完璧な当たりをしても、この数値を超えることは絶対にありません。なぜでしょう?
実はミート率の限界値がルールで定められているからです。ミート率は言うなればクラブヘッドとボールの反発係数ですからヘッドやボールを意図的に飛ばないようにメーカーにコントロールされているのです。
ミート率は数値の高さよりも安定性が重要
ボール初速が速くなるならミート率は高い方が良いと思いがちですが、そうとも言い切れません。
例えばアイアンで飛距離が揃わないと思った以上にボールが飛んでしまってグリーンをオーバーしたり、逆に足りなくて手前のバンカーに入ってしまったりします。安定した飛距離が重要なアイアンのミート率は「高い」よりも「一定」の方がスコアにつながるのです。
ドライバーでも同じことが言えます。会心の一撃とばかりにばかっ飛びするのは気持ちいいですが、ドッグレックのコースで林に打ち込んでしまったり、届かないはずのバンカーに入ってしまうリスクもあるからです。
「芯を食う」メカニズム
野球でもゴルフでも芯を食うとボールが飛ぶということは皆さんも経験的に知っていると思います。では「芯を食う」というのは一体どういう現象なのでしょうか?
ゴルフの場合、芯を食うというのはクラブヘッドの重心とボールの重心、クラブパスの3つがインパクトの瞬間に一直線上に並ぶことが理想です。
こうなることでクラブヘッドがしっかりとボールを押すことができます。すると運動エネルギーがロスすることなく効率的に伝達されるので、ボール初速が最大になるのです。
しかしこれらが厳密に一直線上に並ぶように打つことなど至難の技です。そこでクラブメーカーはヘッドの重量配分を操作して、意図的にスイートエリアを作り出しています。
こうすることでスイートエリア内に収まる程度のズレならエネルギーのロスが少なく、初速も落ちないように設計されているのです。スイートエリアについては下記の記事を見てください。
スイートエリアで打っても芯を食わないことはある
では、スイートエリアで打つことさえ出来れば芯を食っていると言い切れるのかというと実はそうでない場合もよくあります。
なぜなら、例えスイートエリアでボールをヒットしたとしてもクラブパスが大幅にズレているとクラブヘッドの力がボールに効率的に伝わらないからです(下図参照)
芯を食うには?
ではどうすれば芯を食う打ち方が出来るのでしょうか?
先ほども言いましたが、スイングの中でボールとクラブヘッドの重心とクラブパスを揃えるように打つことなど、狙って出来ることではありません。 最も有効な方法はインパクト前後でクラブパスをなるべくスクエアに動かし、ボールを点ではなく面で捕らえることです。
それではクラブパスをスクエアに動かすのはどうするかと言うと、クラブフェースを積極的にターンさせることが正解です。
このあたりのことはとても長くなるので、今度別記事を書きたいと思います。
以上、 「ミート率」と「芯を食う」メカニズムでした!
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