クラブヘッドの「重心高さ」がショットに与える影響
重心高さというのはクラブヘッドをトゥ側から見た時の重心からフェースに垂直に引いた線とフェース面が交差する点(芯)からリーディングエッジまでの距離のことです。その名前の通り、重心の高さを表します。
近年のドライバーの重心高さの平均値は約31mmです。
この重心高さは重心に関する数値の中で最も飛距離に影響を与えます。なぜなら重心高さは飛距離の3大要素である初速・打ち出し角度・バックスピン量のうちの打ち出し角度とバックスピン量に大きな影響を与えるからです。
なぜそのような影響が出るのかというと、ギア効果の記事でもお話したオフセンターヒット時の「縦のギア効果」によるものです。
なぜそのような影響が出るのかというと、ギア効果の記事でもお話したオフセンターヒット時の「縦のギア効果」によるものです。
重心が高いクラブの場合
重心が高いクラブでボールを打った場合、重心よりも低い位置でボールを打つ可能性が高くなります。その場合「縦のギア効果」によってインパクトロフトが減り(クラブが立ち)、ボールの打ち出し角度は低くなります。
さらにその副次的効果としてバックスピンが強くかかります。
重心が低いクラブの場合
一方、重心が低いクラブでボールを打った場合、重心よりも高い位置でボールを打つ可能性が高くなります。その場合「縦のギア効果」によってインパクトロフトが増え(クラブが寝るので)、ボールの打ち出し角度は高くなります。
そしてボールにはトップスピンの方向にスピンがかかる為、相殺されてバックスピン量は少なくなります。いわゆる飛び系のドライバーがこぞって取り入れている「高弾道・低スピン」という性質がこれに当たります。
この手のドライバーは力のある男性の場合、余計なバックスピンを低減することができるので飛距離UPにとても効果的です。しかし力のない女性や年配の方が使用すると元々少ないバックスピン量が減りすぎてしまって、揚力が得られずにドロップしてしまうことがあります。バックスピン量は多すぎても少なすぎても飛距離をロスしてしまうので、ゴルフショップなどで測定してもらうといいと思います。
「有効打点距離」と「低重心率」について
重心高さと密接に関係するものとして、「有効打点距離」と「低重心率」という数値があります。
「有効打点距離」とは?
有効打点距離はフェース高さから重心高さを引いたもので、要はフェース高さの中で重心よりも上にある部分の距離のことになります。有効打点距離は「重心高さ2」と呼ばれることもあります。飛距離に関していえば、重心高さよりもこの有効打点距離のほうが重要なスペックです。
近年のドライバーの有効打点距離の平均値は22.0mmです。この数値が22mm以上あると有効打点距離が長く低重心、18mm以下だと有効打点距離が短く高重心だと言われています。
近年のドライバーの有効打点距離の平均値は22.0mmです。この数値が22mm以上あると有効打点距離が長く低重心、18mm以下だと有効打点距離が短く高重心だと言われています。
当然、有効打点距離が長いほど重心よりも高い位置でボールをヒットする可能性が高まりますので、低スピン高弾道の打球が出やすくなります。つまりパワーのある人にとって飛距離アップにつながりますが、そうでない人にとってはキャリーが出ずに飛ばない原因にもなります。
逆に有効打点距離が短いクラブはパワーのない人でもキャリーで飛ばせますが、パワーのある人が使うと吹け上がりの原因にもなります。
「低重心率」とは?
低重心率はフェース高さに対する重心高さの割合(%)のことです。つまり、この値が低いほど低重心であるということになります。
重心高さや有効打点距離と同様に、低重心率は弾道に影響します。低重心率が低いほど低スピン高弾道の打球が出やすく、逆に低重心率が高いほど高スピン低弾道の打球が出やすくなります。(「高」と「低」が多すぎて混乱しますね)
最近のドライバーの低重心率の平均は63〜64%くらいですので、62%台以下だと低重心、65%台以上だと高重心の部類だと考えて良いと思います。
重心高さと飛距離性能の関係
重心高さに関しては、以下のような条件でドライバーを選ぶとより飛距離を伸ばすことが出来るかもしれません。飛距離UPの参考にしてください。
スイングスピードの速い人は以下の条件で飛距離UP
- 重心高さが低い
- 有効打点距離が長い
- 低重心率が低い(低重心)
スイングスピードの遅い人は以下の条件で飛距離UP
- 重心高さが高い
- 有効打点距離が短い
- 低重心率が高い(高重心)
以上、クラブヘッドの「重心高さ」と「有効打点距離」がショットに与える影響 でした!