頭脳的ゴルフ道

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低重心アイアンは本当にやさしいのか? やさしいアイアンと重心高さの関係について

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ゴルフ雑誌などでよく 低重心アイアンはやさしい という記事を目にします。

しかし、ヘッドスピードの速い人は実は高重心アイアンの方が優しく感じることがあります。

今回はやさしいアイアンと重心高さの関係について考えてみたいと思います。

 

そもそも「やさしいアイアン」ってどういうアイアン?

アイアンはグリーン上の狙った位置にボールを落とし、その場に止める為のクラブです。グリーンを狙うショットの場合、横方向のミスをしないことばかりが重要視されがちですが、ショートやオーバーなど縦方向のミスをしないことの方がスコアメイクには重要です。

グリーン上空まで運ばれたボールが、グリーンに落ちたと同時に勢いを失って、ペタリと止まってくれるのが理想的なアイアンショットです。

そして、その目的を達成する為にアイアンに求められるのは適切な弾道の高さです。

実はやさしいアイアンとは何かというと、プレーヤーが無理に上げようとしなくてもダウンブローでとらえたボールが適切な高さまで上がってくれるクラブのことをいいます。



 

アイアンの重心高さが弾道に与える影響


アイアンは基本的に重心か重心よりも下でボールを打つクラブです。

重心よりも下で打つと、縦のギア効果によってヘッドはインパクトロフトが立つ方向に回転するので、打ち出し角度は低くなります(実際25度の5番アイアンの打ち出し角度は18度〜20度あたりになることが多いです)。

※ギア効果についてはこちらをご覧ください

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一方、同じギア効果によって、ボールの方には強いバックスピンがかかります。

低めに打ち出されたボールはグリーン手前上空まで勢いよく飛んだ後、バックスピンによる揚力によって急速に上昇し、そして急速に勢いを失ってグリーン上に留まるのです。

バックスピンと揚力の関係についてはこちらをご覧ください

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しかし重心よりほんのわずかでも上で打ってしまうと大きなミスになります。

なぜなら必要なギア効果が生まれず、バックスピンが少な過ぎて揚力がほとんど発生しないからです。そうすると、キャリーが大幅に不足したり、グリーンまで届いてもグリーン上でボールが止まることなくオーバーなんてことになるのです。



 

ヘッドスピードの遅い人は低重心アイアンが良い


ヘッドスピードの遅い人はとにかくボールが上がりません。


ですから、なるべく打ち出し角度を高めにキープしつつ、バックスピンによる上昇効果も使いたいわけです。その欲張りな要求に応えてくれるのが低重心アイアンです。

低重心のアイアンなら、重心よりも低いポイントで打っても、重心からの打点距離が短いのでロフトが立つ度合いがさほど大きくありません

しかしボールに対しては十分なバックスピンもかかるので、中弾道でグリーン手前上空まで進んだ後、上昇してくれます。するとグリーン上にボールを留めやすいのです。

これがヘッドスピードの遅い人が低重心アイアンをやさしく感じられる理由です。

 


ヘッドスピードの速い人は高重心アイアンが良い


ヘッドスピードが速い人は、
重心より低いポイントで打ってロフトが立っても、ギア効果でかかる強烈なバックスピンによってボールが上がります。つまりボールが上がることに関して心配する必要がありません。

それよりも重心より高いポイントで打って大きなミスにつながることの方が怖いのです。

そういうミスを無くすためには、高重心アイアンを使うことが有効です。高重心アイアンであれば有効打点距離(この場合、重心からリーデングエッジの距離)が広くなるので、重心よりも上で打ってしまうという決定的なミスを防ぐことが出来ます。

これがヘッドスピードの速い人が高重心アイアンをやさしく感じられる理由です。

 


低重心アイアンと高重心アイアンの見分け方


ヘッドスピードの遅い人が低重心アイアンを選ぶ際には5番アイアンの重心高さが17ミリ以下というのを一つの基準とすると良いでしょう

しかし、重心高さはスペック表を見ても掲載されてないことの方が多いので以下の点を目安にすると一つの目安となります。

 

高重心アイアンの特徴

・フェースの高さがある(フェースが大きい)

・ネックが長く肉厚

低重心アイアンの特徴

・フェースの高さがない(フェースが小さい)

・ネックが短い

・ソールに大きなキャビティが付いている


基本的にフェースの大きなものは重心が高く、小さなものは重心が低いのが一般的です。特にネックの部分は重量比率が高く重いので、ネックが長いほど高重心になりやすいのです。


以上、低重心アイアンは本当にやさしいのか? やさしいアイアンと重心高さの関係についてでした!

  


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