ベストスコアには意味がない !?
ゴルフの腕前について聞かれた時にベストスコアで答える人がいるのですが、わさお先生は「それは意味が無い」と言っていました。なぜなら同じ人が同じ調子で回ったとしても様々な外的要因によって、スコアなんてものは大幅に変わってしまうからです。そういう中で「一回だけ出せたベストスコア」を聞いても、その人の本当の実力とは言えないからです。
スコアを大きく左右する外的要因
それでは外的要因とはなんでしょうか?具体的に考えてみましょう。
1. コースの基本的な難易度
距離が長くバンカーや池などのハザードがたくさん待ち構えているトーナメントコースと、距離が短くハザードもほとんどない平凡なコースでは同じ人が同じ調子で回ったとしてもスコアが10打以上変わることも珍しくありません。それだけゴルフコースの難易度には雲泥の差があるのです。
つまり同じスコアでも、コースによってその価値が大きく異なるのです。ですからどこでそのスコアを出したのか?まで聞かないと、そのスコアの本当の価値はわからないのです。
2. コースの状態
同じコースであってもプロのツアーや競技ゴルフの試合が開催される前の2~3週間は、フェアウェイを狭くしたり、ラフを長くしたり、ものすごく難しくなるようにセッティングされます。
特にグリーンは芝の長さを短くカットして、ローラーで固めることで超高速グリーンに仕上げたりします。そういうグリーンの下りパットでは、もう触っただけで大オーバーしてしまうほど速く、大抵のアマチュアゴルファーは怖くてまともに打てなくなります。
ですからそういう時期の難易度は普段とは比べものにならず、やはり簡単にスコアが10打以上変わるのです。
3. ティーグラウンドの位置
ティーの色(ブラック、ブルー、ホワイト等)で難易度が異なってくるのは当然ですが、同じ色のティーでも日によって大きく前に出されていたりすることがあります。特に安いゴルフ場で利用者を詰め込んでいるような場合、進行を早める為にティーが通常よりも30ヤード以上前に出ていることも珍しくありません。それだけ距離が短くなると難易度もやさしくなり、当然良いスコアが出てしまいます。
4. ローカルルール
特にコースとコースが隣接しているような狭いゴルフ場ではプレーの進行を早める為に、本来なら”OB”になるところが”1ペナ”になっていたりします。例えばティショットがOBならティグランドから第3打で打ち直しですが、1ペナならその付近から第3打として打つことができるので、救済の度合いが全然違います。
当然スコアに大きく影響するので、そのようなお助けルールのあるコースでは良いスコアが出てしまうのです。
5. 独自ルール(6インチプレース)
お気楽なコンペやプレイベートゴルフでやりがちな「6インチプレース」という独自ルールはスコアに多大なる影響を与えます。本来ゴルフは「あるがままの状態」から打つというのがルールであり醍醐味です。「6インチプレース」というのはゴルフの公式ルールでは「ライの改善」にあたり認められていません。
なぜならディボットに入ったとか、ライが悪いからといって、ボールを拾って打ちやすいライに置き直していたら良いスコアが出て当たり前だからです。もしプロが同じことをやったら50台のスコアが出てしまいます。それくらい「ライの改善」はスコアに大きな影響を与えるのです。
しかも、「6インチプレース」というルールは通常フェアウェイだけで許されるものなのですが、中には「オール6インチプレース」といってラフでもハザードでもボールを動かす人やひどい場合は6メートルくらい動かす人もいます。そんなことしていたら、それはもうゴルフではありません。
「6インチプレース」が当たり前になっている人は、ぜひ一度そのルールを無しにしてプレイしてみるべきです。きっとスコアが7〜10打は違ってくるはずです。
覚えておいて欲しいのは「6インチプレース」して出したスコアなんて何の意味もないということです。
6. 季節や天候
日本には四季があり、それもスコアに大きく影響します。暖かい夏場は体も柔軟性がありボールもシャフトも弾性を発揮して飛距離もよく伸びますが、寒い冬場はその逆で飛距離が大きく落ちます。
また夏のラフは強くて難しいですが、逆に冬のフェアウェイは芝が枯れて潰されてベアグラウンドのようになってしまい、これはこれでとても難しくなります。雨が降っていたり湿度の高い場合はやはり飛距離が落ちますが、湿度が低ければ飛距離は伸びます。季節や天候は意外にゴルフの難易度を大きく左右するのです。
このようにゴルフのスコアなんてものはプレイする条件やルールによって大幅に変わります。ですから一回出しただけのベストスコアなんかではその人の実力を知ることはできません。では本当の実力を知るにはどうすれば良いのでしょうか?
月一ゴルファーならGDOハンディキャップがオススメ
本来ならどこかのゴルフ場の会員権を取得し、正式なメンバーになって公式ハンディキャップを取得するのがベストです。しかしこのご時世、普通のサラリーマンがそこまでするのは中々ハードルが高いかもしれません。
そこでオススメしたいのがGDOハンディキャップです。
GDOハンディキャップというのは、ゴルフダイジェストオンライン(GDO)というゴルフ専門サイトが発行してくれるオリジナルのハンディキャップです。サイト内にあるGDOスコア管理というシステムに自分のスコアを入力していくと、GDOのルールで定められたハンディキャップが与えられます。
このハンディキャップの算出方法にはコースレート(コースごと、ティーごとの難易度)も加味されていますし、GDOハンディキャップを使用しているアマチュアゴルファーは少なくないので自分の腕前を伝えるのにも適しています。
自分のスコアの変遷やパット数、フェアウェイキープ率、パーオン率などもわかり、自分の弱点を数字で分析することができるのでとても便利です。GDOで無料会員登録すれば誰でもすぐに使えるので公式ハンディキャップを取得していないなら登録することをオススメします。
年間平均スコアも一つの目安となる
GDOハンディキャップは各ホールごとにスコアを入力していかなければなりません。それが面倒という人は1年間の平均スコア(10ラウンド以上)もしくは直近10ラウンドの平均スコアを出すことでも実力の目安となります。
月一ゴルファーなら年間10~12回程度はラウンドすることになるでしょう。2〜3回良いスコアを出すことは まぐれ でも可能ですが、10ラウンドも偶然が重なることは無いからです。
10ラウンド以上した後に平均スコアを出してみると、自分が思っているよりも叩いていることに気づいたりします。それがあなたの真のスコア(腕前)だと思って良いでしょう。
年間平均スコアで100を切れたら一人前
よく100の壁や90の壁があると言いますが、この年間平均スコアで考えると本当にその壁が高いことがわかります。2〜3回だけなら100や90を切ることもそう難しくはないのですが、10ラウンド以上の平均スコアで100や90を切ることは相応の実力がないと難しいのです。
100を切れれば初心者を脱出したと言われますが、それは平均スコアで100を切ることだと思った方がいいでしょう。たった2〜3回100を切ることと、平均スコアで100を切ることには雲泥の差があるからです。
10ラウンド以上した平均スコアで100を切れたら、やっと一人前だと言えるでしょう。
「アベレージゴルファー」と「アスリートゴルファー」
クラブのカタログやゴルフ雑誌などでゴルファーのレベルを「アベレージゴルファー」とか「アスリートゴルファー」という分類で示しているものを見かけます。これらの分類には正式な定義が存在するわけではありません。
「アベレージゴルファー」を110〜90くらいのスコアで回る人という定義をしている場合があれば、ハンディキャップ18〜20くらいの人としている場合もあります。スコアが110と90では全然違いますが、良い時は90が出せるけど悪い時には110くらい叩いてしまうような平均スコア100の人を指しているのかも知れません。
しかしこのような分類について意味があるわけではありません。ご自分のことを「アベレージゴルファー」と呼ぼうが、「アスリートゴルファー」と呼ぼうがご本人の勝手だと思います!
ただ、このブログではクラブ選びの目安にするなど、便宜上の理由でゴルファーの腕前を以下のように定義したいと思います。一つの目安として認識して頂ければと思います。
【当ブログでのゴルファーの分類】
年間平均スコア※が100以上 → 初心者86〜99 → アベレージゴルファー(中級者)85以下 → アスリートゴルファー(上級者)
※ただし10ラウンド以上の平均とする