頭脳的ゴルフ道

ゴルフクラブの選び方や練習方法など、頭を使ってゴルフを上達する方法をお伝えしていきます!

一生懸命練習してもゴルフが上達しない理由② 「主」と「従」の動作を理解していない

matt's first tee shot

 
頭を動かすな!
体を回してボディターンしろ!
腰を切れ!
頭を残せ!
下半身リードで始動しろ!
体重移動しろ!
 
みなさんもこんなアドバイスを言われたことがあるのではないでしょうか?
 
これらのアドバイスは全て間違いではありません。
 
しかし、それを真に受けて練習しても、上達するどころか、かえって下手になる可能性があるのです。



正しいゴルフスイングには「主」と「従」の動作がある


正しいゴルフスイングには「主」の動作 と その動きをしたことによって引き起こされる「従」の動作があります。

「主」の動作というのは体の軸をブラさずに腕を旋回させるように振るという極めてシンプルな動きです。この動作はドライバーからパターまで全てのゴルフスイングの基礎となります。もしあなたが上達したいのなら、まずこの「主」の動作を身につけるべきです。
 
それに対して「頭を動かさない」「体を回してボディターンする」「腰を切る」「頭を残す」「下半身リードで始動する」「体重移動する」などといった動きは全て「従」の動作です。

体の軸をブラさずに腕を旋回させるように振るという「主」の動作をすると、自然と頭が動かなくなりますし、腕の振りにつられて体が回り、腰が切れます。また、腕を振ろうとすると自然に下半身から反応して動きますし、その結果として体重移動も起こるのです。つまり「主」の動作をしたことによって全てが自然に引き起こされるわけです。

 

  • 「主」の動作 → 体の軸をブラさずに腕を旋回させるように振る
  • 「従」の動作 → 「主」の動作をした結果、引き起こされる動作

 

「従」の動きをマネすると混乱する


しかし、このことを理解せずに「従」の動作だけをマネしようとすると、スイングを大きく壊してしまう可能性があります。
 
例えば「下半身リードで始動しろ!」 と言われたとします。たしかに下半身リードで始動すること自体は間違いではないのですが、体の正面でボールを捉えられない人が下半身リードをしたら、体が開いてスライスが出るか、体が左サイドに突っ込んでフックが出るのがオチなのです。これは「体重移動」も同じです。
 
「体を回せ!」なんていうアドバイスはもう最悪です。「腕をしっかり振る」という感覚が身についていない人が聞いたら、腕が返ってくる前に上半身が回って体が開いてしまい、もうまともにボールに当たらなくなります。「ボディターンで振れ!」なんていうのはウソだと思った方がいいです。腕を振った結果として、上半身がつられるように回転するからボディターンに見えるだけで、始めからボディターンをしようとしてスイングしてたらいつまで経ってもボールに力を伝えることができないのです。
 
このようなアドバイスは周りにいる上級者が親切心から教えてくれることがほとんどです。または、ゴルフ雑誌などでプロが言っていたりします。そして、向上心があって練習熱心なアマチュアゴルファーほど、そのアドバイスを熱心に取り入れようとします。
 
しかし、上級者やプロは「主」の動作が完璧に身についているということを忘れてはいけません。その動きが身についていないのに、「従」の動きだけをマネしようとすると、かえってスイングを壊し下手になる可能性が高いのです。
 

 

オーバースイングに悩んでいた私へのアドバイス


私がゴルフを始めて1年くらい経った頃、とにかくオーバースイングが直らずに悩んでいました。ドライバーのヘッドが横峯さくら選手の様に地面に垂れ下がるほどのオーバースイングでしたので、自分でもとても気にしていて「直せるものなら直したい」と思っていました。
 
そんな時、会社のシングルハンデの先輩が「手を肩の高さまでしかあげなきゃいいんだよ」とアドバイスしてくれました。藁をもすがる気持ちだった私は、さっそくその通りに手を肩の高さまでしか上げないようにスイングの矯正を始めました。
 
しかし、それまで思い切り腕を上げていた私にとって「肩の高さまでしか上げてはいけない」というのは、しっかりと振り上げた感覚が得られず、中途半端で気持ちの悪いトップでしかありませんでした。その為、スイングのリズムを完全に壊してしまい、そこから半年くらいまともにボールが当たらない日々が続きました。
 
今になって思い返すと、当時の私は腕でクラブを上げるだけでなく、上半身を思い切り捻っていました。上半身を捻りながら、腕でもクラブを上げていたのでオーバースイングになっていたのです。だから僕のオーバースイングの本当の原因は腕ではなく、体を回し過ぎてしまうことにあったのです。
 
先輩が教えてくれた「手を肩の高さまでしかあげなきゃいいんだよ。」というアドバイスは間違いではないのです。しかし、上半身を捻り過ぎていた当時の私に対しては
 
「上半身を一切動かさないで、腕だけ上げてごらん。そうすれば腕は肩の高さまでしか上がらないから!」
 
とアドバイスしてくれなければ、問題の解決にはならなかったのです。実際、体を一切回転させなければ、どれだけ思い切り腕を上げてもオーバースイングにはならないのです。オーバースイングにお悩みの方はぜひお試しください。
 

全てのゴルフスイングの根幹は「主」の動作にあります。

これを理解せずに、枝葉である「従」の動作だけを真似したところで、上達することはできません。このことを肝に銘じて、まずは「主」の動作を習得することをお勧めします。


以上、一生懸命練習してもゴルフが上達しない理由② 「主」と「従」の動作を理解していないでした。
 


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